火の鳥フラミンゴがナクル湖に近づかなくなってから数年が経ち、当地は文字通り火が消えたように静かです。じゃあ今はどこにいるんだという質問に答えるためにアフリカでも一、二を争うような極限の地まで出かけてきました。
フラメンコ?.
スペイン語で炎を意味する単語が由来であるフラミンゴは地球上に6種類が現存していて、最も体が大きいオオフラミンゴはアフリカに限らず紅海やインドにも分布しています。対照的にレッサーフラミンゴは体が小さいものの色合いは6種の中で最も派手で、さらにアフリカ以外には生息していない点からも日本人が東アフリカに来たらこの鳥を見るべきなのです。見分けるポイントは紅色の足、全体がピンクの羽、眼下から先端までアズキ色のクチバシ、などです。
強制マッサージ.
一年中フラミンゴがいるという噂のナトロン湖を目指して未舗装道路の東進を始めたのは午後2時頃でした。アスファルトの道からアクセスできるナクルやボゴリアと異なりナトロン湖は他の観光地から孤立しているし、路面からの振動による強制マッサージが到着まで3時間ほど続くし、道中では複数のマサイが検問を張っていて通過する度に15ドルのショバ代を払うことになるので気軽に誰もが行ける場所ではないことが明らかになりました。そんな場所だからフラミンゴの安息の地になっているんですけどね。
翌日に備えて.
大地溝帯の底、標高600メートル付近に悠々と横たわるナトロン湖は日の出直後からオーブンのように暑くなると聞いたので前日は湖畔に建つテントキャンプに宿を取りました。蚊帳、トイレ、シャワーが室内にあり、近辺の湧水を引き込んだプールなどは野趣に溢れていて私は気に入りました。
いざ湖へ.
フラミンゴを探しに行く日は早起きしましたがサファリロッジでは常識である「うるさいくらいの小鳥のさえずり」は聞かれませんでした。前評判のとおり生命を受け付けない死の湖にふさわしい一日の始まりです。朝焼けもそう言われると恐ろしい色に見えてくるから不思議です。ちなみに昨夜のディナーはコースメニューでそれなりに美味でした。
ウェイターもバーマンも赤い布を肩からかけたマサイ族で、観光が地元の雇用創出に一役買っていることが実感できました。
ナトロンにはアルーシャやマニャラにあるようなカルチャーツアー事務所はありませんが、各ホテルが窓口となってガイドを用立てしてくれます。マサイを一人借りてから車で出発し、湖畔からは黒い泥の干潟を鳥が見えるまで歩きます。先着していた欧米人グループは長靴を持参していて関心しました。こっちは準備不足だったので途中からは靴を脱ぎ捨てて裸足でした。
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