ケニアの国際空港が8月から再開される見通し。入国後の行動制限もほぼ無し、との情報あり。

ゲラダヒヒ図鑑

ご存知ナショナルジオグラフィック誌の4月号に掲載された美しい写真群に刺激を受けた私は微力ながらもその売上げに貢献しようとここに「トリビュート作品」を、言い換えると「似たような写真」を並べて発表することにしました。写真の順序は雑誌版とは若干変わっています。

生息地はエチオピア高原.

IMG_2965_72ライオンにも似た黄金色のタテガミをまとう雄は自身ありげにも見えてくるから不思議。東アフリカを南北に走る大地溝帯の急峻な崖を背に、完全草食という霊長類(サル類)としては珍しいライフスタイルを大昔に選んでしまったゲラダヒヒの一頭が佇む。

現存唯一種.

IMG_2976_72日中はひたすら移動と食餌行動を繰り返すオトナメスと母親にしがみ付く子猿。350万年前に草食という特徴を引っさげて他のサル達と袂を分かった後はゴリラほどの大型種が現れたり、南アフリカや果てはインドにまで適応放散が見られたものの現存種はエチオピア中央部の高原に残るこのゲラダだけとなっている。

牙の用途.

IMG_2653_72オトナオスは他種で同サイズのサルと比べても長めの牙を持つが、草食であるがゆえに狩りには使わない。それらは主に威嚇、同種間の闘争、またはヒョウなど捕食者から身を守る場合に役立つ。また牛馬のような臼歯を持つ点でも他のサル類とは一線を画す。

真っ赤な胸.

IMG_2933_72オトナオスはマントヒヒのように肩にまで届く立派なマントをまとうようになる。研究者は雄の胸元にある赤く毛のないエリアが先のマントと共に性選択の上でプラスに働くと見なしている。

自然の保護者.

IMG_2835_72エチオピア全体でわずかに800頭とも言われるゲラダヒヒだが局地的にはこのようなガイド兼兵士の助力もあり個体群は健やかなようにも見える。高原の草地はヒヒのみならず地元住民や家畜からの需要が高まっている背景もありその将来は安泰とは言えない。

グルーミング.

IMG_2877_72群れの中で断続的に行われる毛づくろいの効能はノミやダニの除去に留まらず、親類間の絆の強化、またサルとして最大級の個体数で構成されるグループで暮らすことによって生まれるストレスを軽減させる役割も知られている。。

遊びの重要性.

IMG_2513_72霊長類に限らず子供時代の遊びは自分の力量とグループ内の相対的ポジションを測るという重要な側面を持つ。遊びに疲れればいつでも母親の背中や腹側に潜り込んで一時の休憩とすることもできるのだ。

食事中は腰かけて.

IMG_2516_72捕食者を恐れて日没後は崖に張り付いて夜を過ごすゲラダヒヒ。栄養価の低い草や根、種を主食にするため質より量という言葉通りに日中のほとんどを食事に充てる。地面に腰を下ろし、空いた両手を交互に素早く動かす様子に心を動かされない人は少ないだろう。

迫る温暖化.

IMG_2616_72人間による農業が進出できないくらい冷涼で急峻でやせた土地。そこをニッチとして利用しながら今世紀まで生き延びてきたゲラダヒヒは自然保護の成功事例としてもっと評価されるべきである。ただし昨今の温暖化に伴って農業限界線も徐々に広がりつつある現在、彼らの将来は決して安泰とは言えないのだ。

Was there on 2012-09-15