スパイスツアー.
ザンジバルを巡って起こった数々の戦いは、結局はビジネスのためでした。19世紀にはアラビア半島の小国オマーンが東アフリカの海岸一帯を手中に収めました。当時の王様が目をつけたのがクローブやシナモンのようなスパイスの栽培と輸出で、一時は莫大な利益を生み出したそうです。今では主要産業とも呼べない状況ですが、それでも往時をしのんで島の畑を訪れるスタディツアーは定番観光とも言えます。
監獄島.
過去にはこの珊瑚からなる小島を罪人のための流刑地にしていたそうで、その名もプリズン・アイランド。今は無人島ですがリゾートホテルが一軒あります。周囲の海も白い砂浜もきれいでシャワーまであって楽しめますが、一番のお勧めは島内にあるゾウガメの保護施設。セイシェルから連れてきたのを飼育しているのですがその可愛いこと。午後には餌付けの時間もあります
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世界遺産とクイーン.
翌朝は暑くなる前に市街の向こうにあるバス乗り場のほうまで散歩。道端でおちょこ一杯ずつで売っている濃い目のコーヒーが眠気を吹っ飛ばしてくれます。市場の前にはユネスコの看板が無造作に立っていますが地元民にとっては日陰を提供してくれる以上の役割は期待されていない様子でした。
午後はビーチに突き出たレストラン「マーキュリー」のテラスでランチ。イギリスの有名バンドのボーカリストの生家がここから数軒先にあるそうです。ちなみに私が頼んだココナッツ魚カレーは見かけも味付けもいたって普通でした。
ダル行きフェリー.
本土への帰路は所要2時間の高速船を選びました。大手3社がそれぞれ朝の6時半、8時、午後と頻繁に運行していますがチケットが前日からしか購入できないので無事に乗れるのかは運次第。席種は1等と2等がありますが眺めの他に違いはほとんどありませんでした。
海路移動の一番のメリットはその雰囲気。出航後に小さくなっていく驚嘆の家。フェリーの横を貿易風を受けながら滑っていくダウ船。それらは19世紀のある日、ひとりの黒人奴隷が絶望を胸に見つめていた光景とそれほど変わらないはず。ザンジバルは訪れる人全てをロマンチックにさせる場所なのでした。
Was there on 2008-02-21
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