歩いて学ぶ.
国が直接管理している狩猟区ならではのアクティビティがウォーキングサファリです。銃をかついだレンジャーが詰め所からやってきて同行してくれます。ゾウ、ライオン、バッファローがうようよしているので当然ですね。涼しい朝か夕方に1時間から元気な人向けの3時間コースを歩きます。川岸の砂浜は動物の足跡を探すにはベストな場所であることを今回知りました。草原ではこうは行きませんので。
ボツワナのサンセットクルーズでは船上でくつろぐだけですが、セルーでは白い砂浜に上陸してビール片手に椅子に腰掛けながらアフリカの夕焼けを気の済むまで眺めていることが許されます。上陸場所は宿によって異なるようで、残念ながら今回泊まったセレナが選んだ場所からは太陽が水面に沈んでいくシーンにはならず山陰に消えていきました。上記の他にもナマズやタイガーフィッシュを狙う釣りも用意されています。釣果を晩御飯に出してもらうことも可能だそうです。
宿のチョイス.
一大ホテルグループを形成しているセレナは川の上流に一軒、静かな森の中にこじんまりしたテントキャンプを一軒持っています。特に前者は川面に張り出したデッキからの眺めが素晴らしく、5コースの日替わりディナーと合わせて個性的と言えます。12室しかないコテージは全て川岸に高床風に建てられていて、エアコンを備える宿は広いセルーと言えどもここだけ。 自分のベランダにはジャグジーがあって別料金ではありますがスパ設備さえあります。
近代的な設備と快適さを重視するならセレナで決まりですが、反面このグループでたまに見られるロケーションの悪さが私は気になりました。動物の集まる湖沼地帯に車はもちろんボートで行くにも遠いのです。古顔のロッジの何軒かは目の前が湖だったり川岸だったりするらしいのでツァボにあるセレナのように「居ながらサファリ」ができるのであれば動物の密度の薄さをカバーできるはずです。今後の調査が必要です。
ワイルドすぎるぜ.
保護区内に道標も簡易トイレも無い。道端にはキリンを始め多数の骨がほったらかし。広すぎる園内ではサファリ中に誰かとすれ違うことも稀。セルーの最大の魅力はこのワイルドさに尽きます。入園料は一泊75ドルと高く、景色と食事にこだわった宿の値段設定も他の国立公園よりも高めです。手付かずの自然環境とあいまって普通の人を寄せ付けない気品さえ感じさせるセルー。この場所に興味を持ち、あまたのハードルを乗り越えた後にここを訪れた人々は「セルー倶楽部」のメンバー入りをしたようなものです。そんな自然保護を担いながら優越感も味わえる場所がセルーなのです。
Was there on 2014-10-03
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