素人禁止.
クルーガーを代表とする南アの国立公園のメリットでもありデメリットでもあるのがユーザーフレンドリーに過ぎる点です。つまり地元の素人が日曜日に自家用車で乗りつけて動物を追い回したりゴルフをしたりバーベキューしたり安宿に泊まって夜通し騒ぐことが推奨されているのです。一方、このマディクウェではセルフドライブは禁止されていますし、宿泊施設も中級からスーパー高級なものに限定されています。つまり意識の高い人種に高価格商品を売りつけるという側面はあるものの、そのリターンとしてハイレベルのサファリ体験を提供します、という方針を掲げている保護区と言えるのです。
たった14頭.
今回案内してくれたドライバーガイドによると保護区内のリカオンは現在14頭。750平方キロという面積を考えると群れは一つ、ないしは血縁関係のある二つくらいでしょう。他と比べたら決して広くない保護区内に行儀の良い宿が15軒ほどあって、毎日彼らが群れの姿を追うのですからどこよりも高確率で会えるような気が私はします。ただ同時にサファリカーをシェアしたカップルに聞くとマディクウェに五連泊した最後の最後にやっとリカオンを見られた、とも言っていたので確信は持てないままです。
増えない要因.
この保護区へリカオンを連れて来たのは10年以上前。多産で知られるイヌ科なのに未だに14頭しかいないのは何故なのだろうと考えたときに、もしかしたら保護区としてはライオンの個体数増加のほうを優先している可能性に気づきました。一般のサファリ客を満足させるにはなんと言ってもライオンが一番ですからね。ライオンが多すぎるとリカオンは自分の獲物を横取りされたり、巣穴の子供を殺されたりするらしいので阻害要因になっているのかもしれません。ケニアでライオンを見飽きている私としては、この保護区が方針を変えてリカオンのサンクチュアリとして再出発する日を願ってやみません。
Was there on 2017-06-11