クルーガー国立公園は?.
南アフリカのクルーガー国立公園もリカオンが「多い」ことで知られます。複数の書籍で400頭ほどと書いてあるのですが広さが問題で、モザンビーク側の公園とつながっていることもあり合計面積は35,000平方キロメートルにも及んでしまいます。一群れ15頭と仮定して計算すると2,333平方キロごとに群れがひとつしかいないわけで、藪が多くアスファルトの道路が縦横に巡らされていることも考えるとここでリカオンに会うのは難しいような気がします。
じゃあセルー鳥獣保護区は?.
タンザニア南部のセルーはリカオン最後の楽園とも呼ばれ、その数を700頭とする本もあります。でも5万平方キロというとんでもない広さが再び問題になるし、さらに半分以上のエリアが金持ち向けの狩猟区になっているので我々が足を踏み入れるわけにはいきません。信頼できるガイドブックにはセルーに雨季の直後に5泊すれば高確率で会えると書いてありますが、逆に言えば二泊したくらいでは会えないことを意味しますし、安い宿泊施設のないセルーにそんなに泊まると出費もかさむでしょう。
二度目@マディクウェ.
人生二度目のリカオンとの出会いは今回、マディクウェという私営保護区で起きました。南アフリカの経済首都であるヨハネスブルグからは舗装道路を4時間。周囲には銃を持ったハンター向けの狩猟区が迫っているためこの保護区自体は柵で囲まれています。それでも面積は750平方キロですからケニアのマサイマラの半分、アンボセリの二倍近くあるんです。この保護区で行った夕刻サファリの最中に三頭の個体と会い、さらに数十分過ごすことができました。