これまで日本の入国時に求められてきた各種の書類は2023年のGWをもって不要となりました。

絶景キャンピング@マガディ湖

夏季には生き物が干からびるくらい暑くなるケニア南部のマガディ湖。例年よりも長びく冬を逆手に取ってナイロビ在住の有志13人が湖畔で過ごした二日間の様子をお届けします。

塩の湖.

IMG_4223高原都市ナイロビの南西で膨張を続けるロンガイ、キセリアンという二つのベッドタウンをやり過ごし、途中で2,000メートル級の尾根をひとつ超えた後は大地溝帯を目指してひたすら高度を下げながらドライブすること約二時間。ナイロビから110キロ離れただけで海抜700メートルにある灼熱の大地の釜の底に来れることが不思議に思えます。このマガディ湖からわずか40キロ向こうはタンザニアとの国境で、さらに谷に沿って進んで行けばフラミンゴの繁殖地として有名なナトロン湖へ到達できます。つまり同じに谷に連なる二つの湖がたまたま別の国に所属することになっただけで、フラミンゴやマサイ族はパスポートなしに自由に行き来しているのが現状です。

炭酸ナトリウムの宝庫.

IMG_4608この一帯に数百万年という時間をかけて流れ込み堆積した物質が今では現代人に掘り起こされ加工されて洗剤やガラス製品の原料となっています。これがソーダ灰とか炭酸ナトリウムと呼ばれるもので、インドの企業グループであるタタが採掘場を稼動させています。湖の東岸にしか道路はなく、我々の目指すキャンピング場に向かうにはタタの敷地を通らせてもらいます。途中にはソーダを結晶化させるためなのか赤い塩田を目にしたり、また企業上層部の憩いの場としてプールや冷えたビールが揃う会員制のクラブハウスもありました。ちなみにキャンプサイト利用の手続きもこのクラブで済ませることになっています。

フラミンゴ舞う.

IMG_4272訪れたのは乾季のど真ん中で湖面が縮小していたせいもあったとは思いますが、やはり多数のフラミンゴを見ると感動します。隣のナトロン湖と違って営巣地としては使われていないそうですが、餌となる珪藻の繁茂に適した水質なのでしょう、オオフラミンゴもコフラミンゴもしきりに食餌行動を見せていました。湖水を覗いてみるとティラピアの一種と思われる小魚が群れを成していて、ペリカンやコウノトリまでいる理由が理解できました。

絶景だからこそのテント泊.

IMG_4354このマガディ周辺には公営、民間含めて常設の宿泊施設がありません。そのためここで一夜を過ごしてフラミンゴをじっくり観察したいと考える人は誰でもキャンプを何もない土地に設営する必要が出てきます。今回はプロのキャンピング会社に依頼して湖畔のベストな場所にトイレやキッチン、食堂を備える快適な場所を作り出してもらいました。関わったスタッフはドライバーとマサイ族のガードマンを含めて総勢七名。こちらはわずか13人だったので上げ膳下げ膳の大名旅行となりました。

しかも温泉つき.

IMG_4431百万年前まで活発な火山活動を見せていた地域ですから、温泉も沸いています。わずかに硫黄臭がする40度くらいの良泉で、湧出口に適度な深さがあるので肩までつかることができました。日が暮れてから谷に沿って吹き始めた風が火照った顔に心地よかったです。キャンプに戻るとスタッフがぬるま湯を用意してくれていて、それを頭上に吊り上げた蛇口つきのバケツへ満たすことで完璧なシャワーが出現しました。ディナーはバイキングが食事用の長いテントの下で提供されました。リークのスープと魚のフリッターが特に人気を集めていました。食後はキャンプファイヤーの周りに折りたたみ椅子を移動させ、時折星空を見上げながらまったりと過ごしました。

朝風呂もご用意.

IMG_4494翌朝の過ごし方は二種類から選べるようにしました。明るくなってからの朝風呂を楽しみにしていた人はフラミンゴの見守る中、二度目の入浴タイムを満喫しました。どこからか一般のケニア人もカローラで乗りつけて来て国際的な混浴になったのは予想外でした。もう一方のグループは後背地に広がる藪の中でサファリを試みましたがヌー、シマウマ、グラントガゼルとの出会いに限られたのでサファリに慣れている人には物足りなかったでしょう。

キャンプが大正解.

IMG_4504フラミンゴが集い天然温泉も沸いているという天国のような場所について、マサイ族に遅ればせながらも知ることとなりました。次にナイロビからは近いけどホテルが無く宿泊は容易ではないことが判明しました。じゃあ行くのはやめようと考えることはせず、逆にその最高の場所に快適な宿を持ち込んだらどうだろう、持ち込めるかな?というステップを経て今回の旅が実現しました。今ではキャンピングはお金を節約するための手段ではなく、最高の場所に設置できるからあえて選ぶんだ!と断言できるほどです。次のキャンプツアーの行き先を探すのが目下の楽しみになっています。

Was there on 2016-09-04