北部ケニアにある「ソリオ」という保護区の存在は以前から気になってはいたものの、キタシロサイ亜種やチンパンジーの保護施設を擁するオルペジェタに比べてしまうと何となく地味で調査は後回しにしていました。今回はイースター休暇を利用して家族で気軽に自家用車で行ってみた際のレポートをお送りします。
牧場からサイの天国へ転換

ケニア山を東に望む広大な牧場だった土地に、当時絶滅の危機に瀕していたクロサイの保護区が作られたのは1973年のことでした。それ以来、ソリオは民間によるサイの保護増殖プログラムの成功例として広く世界に知られてきました。現在では敷地の1/3が特に入園料が必要なソリオ動物保護区として定められ、「白・黒」併せて200頭以上のサイが暮らす楽園になっています。

保護区の入り口は舗装された幹線道路に面しています。今回は手続きと支払いを行う事務所まで車で5分の場所にあるライノウォッチロッジに自家用車で乗り入れて、翌朝にロッジが手配したランドクルーザーに乗り換えてサファリを行いました。2025年の外国人向け入園料は106ドル。他の国立公園より4割ほど高いですが、民間の保護活動に直接貢献しているので納得できるはず。
サイのシャッターチャンス満載

他の公園では必死に探す必要があるサイもここでは簡単に見られますし、外敵もあまりいないため彼ら行動を間近で観察できます。例えばシロサイの語源となった「広くて四角い口」で地面の草を食む様子はこんな感じ。掃除機の吸い込み口のようです。

またサイは仲間同士で共同のトイレを利用することで知られますが、他の公園では個体数自体が少ないのでそれらしき場所を見かけることはほぼありません。しかしここではいたるところで「溜め糞」を見かけます。また、おしっこを後ろ向きに噴射するサイの別の特徴も見られるかもしれません。
北半球の動物相

ここソリオは座標で言えばわずかに南半球に位置しますが、見られる動物はオルペジェタやサンブルなど北半球に特有の種類もいます。ケニアに暮らす3つの亜種の中でもっとも美しいアミメキリンはその代表格で、他にベイサオリックスもいます。

シロサイに比べると小型で単独行動が好きなクロサイは探さないと出会えないのでドライバーさんにリクエストしましょう。私が見かけた個体はシロサイの横に立っていて、近づく車に対して顔を上げて警戒した様子を見せました。外観としては盛り上がった背中と短い首が特徴です。
2軒目の高級ロッジ

ソリオの中にある宿は長年一軒だけでしたが、来年6月に隣接する保護区にJWマリオットが進出予定で、競争激化が予想されます。ソリオから30分の距離にはニジマスのお刺身が食べられるツリーハウス風の有名レストランがありますので、立ち寄ることをお勧めします。
Was there on 2025-4-21