
前政権の時に鳴り物入りで開通したモンバサ行きの新型鉄道。レールの幅が約1.4メートルの標準軌のためスタンダード・ゲージ・レールウェイ(SGR)とも呼ばれ、日本では新幹線や関西の私鉄が採用しているそうです。中国が出資し、建設も中国国営企業が担ったため、「債務の罠」というイメージがつきまとっていましたが、ここまで大きな事故も無かったことから、一度家族で乗ってみることにしました。駅はナイロビの郊外にあり、建物に入る際に厳しいセキュリティチェックがあるため、1時間前には着いておくことをお勧めします。

席種は3つあって、購入は60日前から可能になります。専用の予約サイトを使うとケニアのモバイルマネーを使える人であれば支払いまでオンラインで完結できます。今回選んだ一番上のプレミアムクラスは一便あたり24席しかないので事前購入は必須です。シートアレンジは通路を挟んで左右に一席ずつなので、結果的に全席窓際。電動で座面がフラットになる点は飛行機のビジネスクラスと同様です。購入時に席の指定ができるところも飛行機みたいでした。

ナイロビ発モンバサ行きの列車は1日2便ありますが、急行は午後出発になるため、逆に朝8時に出る普通列車を選びました。発車のベルは聞こえませんでしたが、定刻ぴったりに動き出したのにはびっくり。駅を出てしばらくすると進行方向右にライオンも棲むナイロビ国立公園が見えてきます。実際にインパラやシマウマを発見できたので、手軽な車窓サファリとなりました。

どこにも書いてませんが、プレミアムクラスには無料の朝食が含まれていて、制服を着た乗務員がメニューを持って席までオーダーを取りに来ました。業者は国際空港にも出入りしている大手なので、量も味もばっちりでした。提供時刻は9時頃でしたが、草原を眺めながらの朝食は贅沢なひと時となりました。

トウモロコシ畑や第一次世界大戦の頃に敷設した旧鉄道の線路などを見ているうちに、目的地に到着。この駅はケニア最大の国立公園であるツァボの西側にアクセスするには最寄りの駅で、駅舎も立派でした。駅のホームからは温暖な場所にしか生息しないバオバブが見えて、すでに異国情緒たっぷり。駅には迎えが頼んであり、ドライバーさんと合流後はサファリロッジへ移動しました。サファリのレポートは別途投稿します。

ちなみにナイロビへ戻る列車では100席以上あるファーストクラスを選択しました。こちらも席の配置は通路を挟んで左右に2席ずつと、Wi-Fiこそありませんでしたが不満はありませんでした。軽食を含む車内販売のワゴン車も回ってきます。終点はナイロビ郊外にあるターミナル駅で、公共交通機関は無いためタクシーアプリで車を呼んで帰宅しました。
Was there on 2025-3-22