これまで日本の入国時に求められてきた各種の書類は2023年のGWをもって不要となりました。

8月のライオン

なぜタテガミを持ちますか?

ライオンは自分の体重の倍以上もある獲物を倒すに十分な武器を備えているので、それを異性を巡る争いに転用するのは自然なことです。ベテランのオトナオスの鼻っ面に治癒の済んだ刀傷を見つけることも多いです。弱点となる首の周囲にあの剛毛があれば攻撃から受けるダメージは軽減されるでしょう。一方でツァヴォやインドのオトナオスにはタテガミがほとんど見られません。彼らの性格が他地域と比べて穏やかだとは考えにくいので、防御以外の役目も与えられているはずです。ライオン以外のネコ科の全ては繁殖期以外は雌雄が別々に暮らしていて雌雄間の外見の差異はわずかです。ライオンだけがこのような性的二形を持つ理由は恐らく彼らが例外的に群れて暮らす点からも来ているはずです。

変顔で遊んだりしますか?

群れで暮らすライオンですから個体間でコミュニケーションを図る頻度は他のネコよりも断然高く、その一環として表情も豊かではあります。でも写真の雌は大気中のフェロモンを探し出す目的で上顎の裏にあるヤコブソン器官を外気にさらしているに過ぎません。ライオンが属するパンテラ属にしか出来ない遠吠えもコミュニケーション、特に遠方の仮想敵に対する威嚇射撃のようなもんです。

狩りの場面を見られますか?

はっきり言って稀です。一日のうち20時間も寝ていて、さらに狩りの試みの80%は日没後に行われるというデータがあります。一方で我々が化石燃料を燃やしつつ彼らの姿を探す時間は早朝2.5時間と日没前の3時間に限られます。いつも寝ている、だらしない、とはサファリの度に耳にするライオン評ですが、彼らからすれば余計なお世話かも?

おだてれば木に登りますか?

セレンゲティで189キロの個体が記録されたこともあるライオンですから、体が重過ぎてヒョウとは比べ物にならないくらい木登りが下手です。それでも暑さ、ハエから逃れたい一心で樹上で過ごすこともあるようです。居心地の悪そうな彼らの姿を見るには虫の多いマニャラやセレンゲティが適しているような気がしますね。


Was there on 2018-08-19