八月というベストシーズンに、これまた専用車を駆ってマラノース私営保護区を乗り回すという機会に恵まれました。たった二泊の間にハネムーン旅行中のライオン、木陰で休憩中のチーター、極めつけはヒョウの親子にまで出会えたラッキーサファリの記録です。
民間有志による保護.
マサイマラ国立保護区と地続きでつながっているマラノースはその名のとおり、マサイマラの北側に位置します。数軒の高級ロッジのオーナーが地主のマサイ族と交渉し、観光と伝統文化との共存を試みている先進的な場所です。今ではロッジの数は14を数えますが、どの宿も景色は食事に工夫をこらし、外部からのサファリカーが乗り入れることを許さないためマナーの良いオフロードサファリが十分に楽しめるのもメリットです。観光収入が主な運営資金になるため宿泊料金はかなり高めです。
いきなりハンティング.
ナイロビを発った小型飛行機が着陸するのはマラノース滑走路。マサイ族のドライバーさんと合流した後、宿に向かう途中で珍しい光景にあいました。へその緒がついたままのキリンの赤ちゃんがライオンの追跡を受け、母親が強烈なキックを繰り出しつつ一時間以上も我が子を守るというシーンです。アゴをも砕くという蹴りの強さを目の当たりにしました。
ヒョウの親子.
午後は岩場や藪の中を突っ切りながらヒョウの出現情報があったエリアへ直行しました。最初は木陰でじっとしていた母親らしきヒョウ。ドライバーさんによると涼しくなっていく気温、周囲で騒ぎたてるヒヒの群れ、母親がしきりに気にしている方角などを考慮すると親子で再び現れる可能性があった為、我々もその場で暑かったのですが数十分待機しました。
マラノースが良いのはこんな重要な場面でもサファリカーが3、4台しか集まってこない点です。東マサイマラであれば軽く20台が終結して一頭の動物を追い立てることも珍しくないのです。待つこと一時間超。川沿いの藪に隠れるように言いつけてあったのでしょう、母親が消えた方角とは別の場所から親子のヒョウが連れ立って現れました。親は先に立って歩くのですが、遊びを織り交ぜてなかなかついて来ない子のことを気にして何度も振り返る様子が印象的でした。
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