ケニアのメインアトラクションはもちろん国立公園めぐりです。それらを効率的につなぐルート上にないというだけの理由で正当に評価されていないものの学術的には貴重な場所、オロルゲサイリを週末を利用して訪れてみました。
ナイロビから68キロ.
ナイロビ郊外へ膨張しつつあるベッドタウンを2つほど通り過ぎ、最高地点が2,041メートルに達する尾根を越えた後は標高を1キロ近く下げながら南西へ進むこと約70キロ。オルテペシと呼ばれる村の近くにはっきりとした標識があるので左折すべき曲がり角を間違えることはないでしょう。二つの死火山に挟まれるように横たわる盆地が今はオロルゲサイリと呼ばれていて、20万年前までは湖の底だったそうです。大昔に流れ込んだのか、白くて細かい砂に覆われていて日中は非常な暑さになります。
入館料600円.
駐車場の横に受付があり、支払い後はガイドさんが敷地を巡る遊歩道に沿って我々を炎天下、1時間ほど連れて回ってくれました。発掘現場だけにはトタン屋根の小屋があり休憩できます。しかし乾季の9月なのにあの暑さですから1月や2月に行くのは自殺行為でしょう。
原人の石オノ.
ここが湖だった60から70万年前、我々の祖先の原人達は周辺で狩猟をしつつどんどん肉食化していったようです。涙滴形のオノが流行したようでもあります。そのサイズから察するに先祖は現生人類よりも筋肉質で大きな身体を持っていたようです。遊歩道にひとつ石斧が落ちていたので叩いてみると音色が良かったです。先祖の精霊と交信できた気になりました。そういえばこの変な地名は「精霊の集う場所」という意味が現地語であるそうです。
カバもゾウも.
石斧は皮や肉を切り刻むときに使ったのでしょう。球体のような石はハンマーと呼ばれていて道具を作る過程で用いられたそうです。石器ばかりごろごろ出てくる割に、原人の頭骨は今のところ一つしか出土していないそうです。石と骨の素材による保存上の差なのでしょう。水場で調理したのか、昔のカバやゾウの骨も見つかっています。ナイロビから半日観光として行くのはきついのでジラフセンターかゾウの孤児院と組み合わせて終日ツアーとしてまとめるといいと思いました。
Was there on 2016-09-04