アンボセリを訪れた誰もが望むゾウとキリマンジャロの写真。私も例にもれず常にトライはしますが駄目ですね。いっそ失敗作を並べてみなさんの次のサファリの参考にしてもらおうと思い立ちました(転載、初出2014年)。
隣家の借景.
最初に整理しますと、山頂のみならず裾野全体もキリマンジャロはタンザニア領に属します。雪解け水が地下水脈を通じてタンザニアより隣国ケニアのアンボセリと呼ばれる平坦な土地にしみ出しているだけです。仮に登山のスタート地点となる村、マラングから山頂を見上げたならばこんな姿です。つまり格好悪いのです。
山はバッチリ.
100万年前の噴火時に海風にあおられたのでしょうか、うまい具合にケニア側に火山灰が降り積もって平坦な土地ができました。そこに現在七百頭ほどのアフリカゾウが暮らしています。こちらの写真は8月の夕方6時、オルトカイロッジの手前に広がる湿地にて。雲がすっきり晴れて急激に縮小している山頂の氷河があらわになってしまっています。データはF4、1/640sec.、EV-1/3、ISO100、太陽光WBって感じです。
逆光過ぎる.
アンボセリのゾウは毎朝湿地へ向けて隊列を組んで移動します。群れが大きすぎて車が道を譲ることも。この場面は土煙をあげて遠くからやって来る群れの向かう方角を予想して回りこみました。東部のキマナゲートへ向かう途上だったので朝日が東から低く差し込み逆光になってしまいました。山のディテールは諦めてゾウの陰影に気を向けました。11月の朝8時、絞り5.6、1/800sec.、EV-1/3、ISO100、オートWB。
自分が好きなのはむしろこっちで、先頭を行く母ゾウが人間の何百倍もの感度を誇る鼻を高く上げて行く手に異常や危険がないか察知しようとしているシーンです。後ろをついて歩く子供がかわいいですね。アンボセリに来ると山が晴れていなきゃあ文句を言い、晴れたら晴れたで動物が手前にいないとまた文句を言いがちなので精神的に不健康になります。
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