ケニア入国に際し、ビザの代わりに電子渡航認証(eTA:Electronic Travel Authorization)の申請・支払いが必要となりました(約32.5USD)。

セルー鳥獣保護区の歩き方

同じ世界遺産ではあるものの北部の兄弟達(セレンゲティやンゴロンゴロ)より目に触れることの少ないセルー。行ってみると楽しみ方にコツがいるものの普段と異なるサファリに満足して帰ってきました。

英雄セルーさん.

IMG_0980_210日本人がサファリツアーに関する情報収集の途中で「セルー」という名前に出会うことは少ないでしょう。ドイツとの戦争が続いていた1917年にこの地で倒れたイギリス人将校の名が今でも冠されたアフリカでは珍しい保護区です。セルー家は17世紀までさかのぼれる名家らしく、英国籍であることに疑いはないのですが当時はフランス語圏に属していた関係でフランス風に発音するのが正しいそうです。

アクセスの悪さ.

stigler192009年の専門書と今年発行の図鑑ではセルーは単一の保護区としてはアフリカ最大となっています。またドイツの占領下にあった1896年に狩猟区として始まった歴史もアフリカ最古で、1982年の世界遺産への登録と合わせると記録ずくめの動物王国と言えるでしょう。スイスより広い5万平方キロを超える敷地の9割は今でもハンティングを趣味とする人々だけに開放されていて、残りの10%の土地で我々のような観光客がカメラ片手にうろうろしている、という構図になっています。
IMG_0619_210最寄りの国際空港はダルエスサラームで、そこでプロペラ機に乗り換えて空路で入るのが一般的です。セルー到着後は各ロッジが主催する様々なアクティビティに参加して過ごします。週に2日だけザンビア行きの列車が園内を通過するのでそれに合わせて迎えに来てくれる宿もありますが運行が不確かなので自由旅行者以外にはお勧めできません。

楽しむコツ.

IMG_1039_210観光客の立ち入りが許されているエリアはタンザニア最長のルフィジ川とその北岸のみで、雨季には一帯が水面下に没するような環境です。セルーのような広すぎて暑すぎる(標高わずか100メートル)場所ではむやみにドライブしても動物とは出会えません。まず4、5月は避けましょう。宿もほとんど休館するそうです。10月から年明けは極端に暑いみたいです。ベストは乾季で干上がりかけの池や湿地に動物が集中するそうです。宿はそれぞれ車以外の手段でお客に動物を見てもらおうと工夫しているので積極的に参加してみましょう。

基本のカーサファリ.

IMG_0877_210自由参加となる朝夕のドライブは水を飲みに集まって来る動物が目当てなので川岸や湖畔を走ります。ボートよりは機動性が高いのでリカオンを探すチャンスです。ここのヌーは薄茶色でマサイマラのそれより上品に見えます。ケニアではいる、いないと議論になる黒褐色の美しいセーブルアンテロープもセルーでは結構見られます。上流から運ばれた白砂と椰子の木が生み出す風景にも満足させられます。

ボートから観察.

IMG_0689_210ボツワナのチョベを知っている人はイメージしやすいと思いますが、セルーで行うボートサファリも川辺に集まる動物を水上から観察します。流れの速い場所だとカメラの手ぶれがひどいですが、車よりも低い視点からの撮影は新鮮ですし、また動物達もボート上の我々に対しては関心が薄いように感じました。暑い時期だと産卵のために砂浜に寝そべっているワニが多く、ボートが近づく度に急いで水中に逃げ込むようなアクションが観察できます。